お肉が大好きな女(ひと)

90歳代の女性は長女と2人暮らし。要介護2で、これまで食事を摂ることやトイレに行くことは自分で出来ていましたが、その後に入院したことで身体機能が低下し、要介護の見直しをしたところ、要介護4の状態になってしまいました。

今、週2回のデイサービスを利用したり、ヘルパーの利用回数を多くしたりと、介護者である長女の負担を軽減していきました。

長女は介護に熱心で、本人になるべく楽をさせないという信念を持って毎日を過ごしていました。そのため、毎日のように長女がリハビリと称してベッドから立ち上がりの練習をさせていたのです。本人は、いつも「あの子は、私にスパルタなのよ」と影で言っていますが、それでも、本人が毎日頑張って続けることができたのは、栄養状態が良く、体力があったからでした。

栄養状態が良かったのは、自分の歯が多く残っていて、何でも食べることができたからだと考えられます。実は、本人の大好物は今でもステーキ。時々、長女と一緒に外食に出掛け、ステーキを平らげるのだといいます。

また、長女は、本人の要介護度が悪くなってから、外出を妨げないようにと考え、自宅を住宅改修することにしました。本人の自宅は昔ながらの一軒屋で、玄関の段差が高く、車いすが通れるほどの廊下の広さもありませんでした。そこで、1階寝室から直接外に出れるように、出入り口とスロープを設置することにしました。

外に出るときは、ベッドから車いすに本人を移乗させ、車いすでそのまま外出することができるようにしたのです。

でも、何故、そこまでしてでも外出を妨げないようにしたのでしょうか。それは、本人の楽しみを絶やさないためでした。本人の楽しみは外でステーキを食べることだったのです。それほどまでに本人はステーキが大好きだったのです。