口から食べることの大切さ

80歳代男性は、妻と2人暮らし。本人の病状はアルコール性肝硬変。以前からの習慣のためか、食べることに意欲はなく、1日の食事摂取量が少ない方でした。

まだ、何とか自分で歩いたり出来ていたときは、少ないながらも摂取はしていましたが、身体機能が低下すると、さらに食べなくなり、1日に口から食べる量はアイスを1-2口といったところでした。

本人が元気だったときの話を聞くと、毎日、食べる量は少ないながらも、妻が作る手料理が美味しかったので、それで十分だったと言います。今は固形物を噛んで食べることはできず、口の中で解けたり消えたりするものしか食べられず、妻の手料理は食べることができません。

ケアに入っている訪問看護や訪問介護スタッフは、このように食べられなくなり、ただ日常に必要な身体介護しかできない状況をどうにかしたいと思っていました。この人の問題は栄養を摂るということでした。栄養をとることができれば身体機能を上げることができるとわかっていました。

実は、以前にも同じような状況に陥ったことがありました。栄養摂取できずに入院することになり、入院の間に治療と栄養摂取が改善され自宅に帰ってきています。

このまま同じことを繰り返すのではなく、自宅にいる間にも何とか栄養改善して入院することなく、自宅療養を維持する必要がありました。

そこで、実際に口から食べられるようにするために、口腔機能を診るという前提で訪問歯科を導入することにしました。歯科は、口腔機能改善はもちろんのこと、嚥下機能を診ることができます。本人が口から食べる機能評価をして、口腔機能改善、栄養改善をしていくことになったのです。

しかし、実際に訪問歯科の先生が対応したところ、口腔機能は大きな問題はありませんでした。それよりも問題だったのは食べる意欲の問題でした。食べる意欲を向上させるのは相当難しいと言います。

口から食べるのは本当に大切なのです。